RGN#3感想

RGN#3の方については、森の十字路伝説(id:tsukimori:20060729)さんの感想を読んでの反応という形を借りるフリをして自分の意見を。

茂内さんの発表は、確かにエースコンバット04の事例紹介に徹してしまってもう一歩の踏み込みが足りなかったのではないか、という印象がありますね。プレイヤーがAC04をプレイして、紹介されたような演出技法を受けたときにどのように感じるか、というあたりにもう少し深くメスを入れれてもよかったと思います。あんまり踏み込むと極めて個人的な話になってしまう恐れがあるので、そのへんを良くも悪くも聞き手の側に判断を任せた安全手に倒したのだと思いますが、やっぱり個々のゲームの事例研究では不可避な部分だと思うんで、補足的にでもそのへん突っ込んだ私見を聞きたいとこです、と今更ながら思いました。

増田さんの発表については、先行研究の紹介に終始してしまったという問題と、あとそのへんのプレイヤー周辺論についてはボードゲームTRPGの人が(複数人による社会形成が避けられないという構造上)散々語っている部分でもあると思います。探すと類似の言説はいくらでも転がっているでしょう。で、ボードゲームTRPGのそれが最初から複数人いる系についての一般論を話しているのに対すると、特殊なケースの論に収まってしまっているあたりにこぢんまりとしたものを感じました。

特に増田さんの発表にあったようなプレイヤー周辺の論(「プレイヤー圏」という用語を使われていました)は、ゲームについて語る上では避けられない話でしょう。しかし、これはビデオゲームのみをプレイする人には意識されにくい領域です。だからビデオゲームを中心に考えてしまう人には、プレイヤー個々人の体験をないがしろにしている言説であるように聞こえてしまうのだろうな、と気付かされました。

まあなんだ、何が言いたいかって「なければリクエストすべき」「もっと確実なのは自分で語ること」ということなわけですけど。