新型DSのうわさ

日経さまのいかにも飛ばし記事っぽい(ように俺には思える)アレの件。

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080929AT1D2701J27092008.html

カメラ、音楽再生、無線通信機能強化、って発想のベクトルが、「ぼくのかんがえたさいきょうのげえむき」的だよな。そろそろPSP-3000が出る。ならば牽制のためにこういう発表をするに違いない、的なアングルが背景にあるような気がする。

しかし最近の任天堂にそんなアングルはないと思うんだ。もう実に見事にない。

無線通信機能強化は実に痛烈に望まれている(WEPなんてもはや暗号通信とは言えない!)だろうけれど。でも単純にカメラみたいなデバイスを増やせばいい、っていうのは違うだろう。任天堂はせっかくDS/Wiiで単純なハードウェア処理速度競争以外の「性能」で勝負できる環境を作り上げたのだ。なのにここで単純にデバイスを増やしたりしたら「デバイス付加競争」という新たな不毛な開発競争を呼び込むことになる。処理速度勝負を避けたのなら、同様に単純な勝負はしない――それが「ハード屋」でも「ソフト屋」でもなく「遊戯屋」であるところの任天堂の考えていることなんじゃないだろうか。

もちろんカメラデバイスに特化した(タッチスクリーンは必ずしも搭載しない)新ハード、ってのならありうるような気はするけど。
でもDSがこんだけ勢いよいところに投入するもんかなあ? PSPとの勝負? それって勝ち負け意識することなの? 「そもそも勝負しねえ」「お前らは勝手に明日を目指せ、俺はあさってを目指す」ってのが今の任天堂の姿勢なのに?

音楽再生について、CDなどから楽曲を記録装置に取り込んで聞くことができるようにする見通し。

とかいかにも飛ばしっぽい。その記録装置に取り込む部分はどの機械でやるのさ? うわさの新ハードにCDドライブが付いてることなんてありえないし、外付けでドライブを付けるなんてこともありえない。PCとの連携? それこそありえないだろ。任天堂Appleとは違う。PCと端末の役割分担、なんて発想とは最も縁遠いところにいるメーカーじゃないのか、任天堂ってのは。

ただまあ、Wiiとの連携を強化したりするためのストレージ搭載ってのはありかもしれないですね。最近フラッシュメモリ安いし。
そうすると音楽再生云々も多少現実味が出てくるけど、うーん、でもそんなDS程度の速度性能のゲーム機に、本格的なゲーム機OS搭載が必要になるようなことするかっていうとNoだと思うなあ。

機械的倫理装置

http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=473384&log=20080903

面白い隙間を突いた質問をするけどもう少し淀みなく問いかけないと、ボケた回答がくるんじゃないかなー、とか思ってたら案の定ボケた回答がやってきてがっかりだったわけですが。
しかしながら対象領域を区切ったうえで、その内側に対して機械的に倫理規定を適用していく「装置」であるCEROとしてはあのようにしか答えられないでしょう。

かといってそこで大きくメディア倫理論に振ってしまうのでは場をおいてけぼりにしてしまいもするでしょうし、あの場で質問として出すには面白すぎるテーマだったんじゃないかというのが傍目の私からの感想です。


ちなみに公開講座の中で「CEROが企業の圧力に負けてレーティング判定を歪めたことはない」とか発言されてましたが、逆にCEROに負けて企業が折れるみたいな事例はどうなのよとかいう話がその後の懇親会で出たり(で、GTAとかは続編では現に折れるのだろうねえ、と)。

文学フリマ落選のこと

申し込んではいましたが見事に落ちましたよ。文学フリマはあの(消費都市近傍の)ハコがあってこそのイベントなんじゃねーの?、みたいな記事を書こうと思っていたのでがっかりです。

で、代わりと言ってはなんですが、評論系オンリー同人誌即売会「TokyoBookManiax」 http://tokyobookmaniax.hyoron.jp/ に申し込んでみることにしましたよ。同様に文学フリマ2Fからのあぶれ組とかの需要があるんじゃないかという気もしていたり。会場も同じ場所だしなー。

次号予告

次回コミックマーケット(75)の予告。
GameDeep vol.17、は一回お休みしてGameDeep opt.1 GameDeep Glossary 1st edition なるものを作ってみようかと思います。

ネタがないから一回逃避、という話もあるんですが、vol.1〜vol.16での仕事を一回まとめておこうかな、という意図もあって、世間様とはどんどん乖離していくGameDeep内での用語をいったんきれいにまとめておこう、ということでやる予定です。

ある意味GameDeep既刊を総ざらえしてまとめなおす、「総集編」ですね。
内容としては本誌vol.17としてしまってもいいと思うのですが、今後の底本にしようという意図も含めて別ナンバーでお送りします。今のところ予価未定、頁数未定。
自分の作業はそれで手一杯だと思うので、本誌は一回お休みで。ああでも他の記事が投稿されたら本誌は本誌で一本でっち上げるかもしれません。

参加告知

そういえばこっちには書いてなかったな、ということで今更:

という感じで参加します。
新刊はhttp://d.hatena.ne.jp/gamedeep/20080423/1208943950での予告どおり、「世界におけるゲームという構造」について考えてみる予定。ネタに詰まったから哲学っぽい方向に振ってるだけなんてゆーな!

しかし私本人の3日目は西れ05ab 「ジャンク・ヤード」&「Night Marchan」で売り子の予定という謎さ。新刊だけはそっちにも委託するかも(机の上にスペースが残るなら)。

DiGRA JAPAN 月例研究会+年次総会

月例研究会のレポートはのちほど書くとして。
年次総会の方は結構面白い話でしたので簡単にまとめてみたいと思います

  • 今後は月例研究会の代わりに「公開講座」を開催。
    • 原則月末の金曜日で、少なくとも今年度中は毎月開催の予定
    • 先日の桜井氏による公開講座では席がすぐ埋まってしまったので、あのぐらいの集まりが見込めるときにはもっと広いハコでやることも考えてる
    • そのぶん設備費もかかることになるので聴講料は値上げの予定
  • しかし会員になれば会費年10000円で公開講座は毎回無料ですよ!
    • しかも学生会員は今年度なら2000円
    • 来年度からは学生会員5000円の予定ですが会誌が年2回+事務費を考えるとほぼ実費程度とのこと

ということで「学会」とは思えない感じで攻めに来てるな、という印象を受けました。

で、総会のあとはこれも今回から定例化すると宣言のあった懇親会。
実態は業界飲み会ですが、「ゲーム業界」から考えればまったく素性の知れない私でも参加できてたので間口は広いと思われますよ。