Wii : 12/2 : 25000
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20060914/wii.htm
というわけでWiiの発売日と予定価格公開。
先日発表になった廉価版(HDD非搭載)Xbox 360の29800円より安い、ということでWiiが2007年初頭時点で一番安い新世代ゲーム機になるのはほぼ確定。
参考:http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20060908/360.htm
時代はワイヤレス?
ネットワーク接続の標準手段が、Ethernetではなく無線LANなあたりに、Wiiのやる気が見える。
要するに「時代はワイヤレスでしょう」という宣言、コントローラーがワイヤレスになるならその他もワイヤレスになるべきだ、というメッセージだと思うのだ。コントローラーも有線なら無線LANもオプションに過ぎないXbox 360、コントローラーこそ無線化するが通常のEthernetの口も付いていて更にWiFiが付いている「なんでも搭載」主義のPS3。
Xbox 360は(先行するためにも)無難な線でまとめた。
PS3は悩んだ末に「全部入り」を選んだ(悩まず全部入りにした、という可能性もあるけど)。
そしてWiiは、完成されたパッケージとなることを目指して全てを一から見直してみた。
現状で無線LANを標準にするのはずいぶん思い切った決断だが、既にDSでWiFiを使ってもらえることに手応えを掴んでいるのは大きいのだろう。本体が安いぶんで無線LAN機材を買ってね、というのもあるかもしれない。
PS3の危うさ
ところでWiiと対比させて見ると、PS3の「全部入り」の凄さと危うさが浮き上がってくると思う。
例えばネットワークひとつ取ってみればいい。PS3のネットワーク関連機能は標準でWiFi+Ethernetの口が3つ。豪華を通り越して多すぎる。それをどう設定してどう使えばいい? 設定するためのインターフェースはどんなことになる? そもそもインタフェースがあったところで「普通の家庭」でそんなもの設定できるのか?
もちろん物事には順序というものがある「家庭内ネットワーク」の中心たろうとするコンセプトからすれば、おそらくEthernet3口というのは必要だったのだろう。そこにWiFiが追加されたのは、間違いなくPSPとの連携のためだ。
その無理矢理な足し算を実現してしまう技術力がソニーにはある。だが、足し算が無理矢理なのはよくない、と言い切ってしまえるビジョンは、今のソニーからは失われている。
WiiとPS3は似ている
実のところ、PS3とWiiのコンセプトは意外に近いのではないかと思う。
それは「テレビの側に固定の居場所を確保する」ことだ。遊び終わったらしまわれてしまう「ゲーム機」ではなく、テレビの延長であるビデオデッキのようにそこに在り続けるために。
そのためにPS3は中心になろうとしている。PS3を核として、PS3のために傍らにテレビが存在する形を目指している。外からのネットワーク回線と家庭内のアプリケーションの接点として、「ホームサーバー」の地位を目指しているように思う。
対するWiiは、あくまでもテレビのおまけを目指している。音は少なく熱も少なく。つながる線もできる限り少なく。テレビの側に置いてもらって、ついでにテレビとネットワークとをつなげるかも、みたいなポジションを狙ってる。
でもWiiとPS3は似ていない
もちろんどっちが勝つのかは今後の推移次第だ。
しかしPS3が暗に想定しているような強力なネットワークインフラが本当に整備されるのならば、PS3にできるたいていのことはWiiにもできてしまうようになると思う。もう少し悲観的な推移をして、夜間帯域に頼らないといけないようなレベルで止まれば、PS3のHDDは有効に活用されるかもしれないけど。でもそういう機構を備えているのはWiiの方だという逆転状態。
PS3は練りこみ不足のビジョンに基づいて、とにかく足し算ででっち上げてしまった。そんな気がする。ある意味とてもソニーらしいハードウェア。
Wiiはとにかくコンセプトを考え抜いて、それからコンセプトに合わせて組み上げた。
実のところ「任天堂らしい」よりは、「アップルっぽい」と形容するほうがしっくりくるんじゃないだろうか。製品そのものがソリッドなコンセプトの結実であり、賛否はあれど完成されたパッケージであるあたり、それはアップル以上にアップルらしいように思う。