ゲーム機の「拡張ハード」に成功なし、は繰り返されるか

Xbox 360用HD DVDプレーヤー発表(ITMedia)ということなんだけど。

本当に単体プレイヤーなんだったらもちろん安いけどね。残念ながらそうじゃない。プレーヤーだけでも20790円、廉価版本体(29800円)と合わせれば50590円。確かに現状の単体プレーヤー(HD-AX1とかか?)よりは安いけど。でもしばらく待てば単体プレイヤーもこのぐらいの値段に下がってくるだろう。
少なくとも、かつてPS2がDVD再生機能を持って登場してきたときのインパクトに比べれば、どうにも印象が弱い。

特に日本ではXbox 360なんて市場を持ってるとすら言えない状態だ。当然周辺機器の売上げなんて絶望的なことになる。既にXbox 360がある程度のパイを持っている欧米でも、はたしてどれほど売れるのか。
HD DVD画質が本当に欲しい人がこの程度のプレイヤーで満足するとは思えないし、そういう人でないならまだまだDVD画質でも満足しちゃうのが現状なんじゃないか。

戦場の準備はOK?

HD DVDとBlu-Layの争いにおけるXbox 360PS3の翻弄されっぷりは、どことなくスペースシャトルの存在に振り回された20世紀終盤のロケット開発に似たような雰囲気を感じる。ハイクオリティコンテンツという壮大なビジョンのために、ハードウェアの設計が肥大化する方向に歪んでるあたり特に。
スペースシャトルと違ってハイクオリティ化が確実に進行するであろうことは救いだろう。
でもやっぱり早すぎる、と思う。なにしろDVDだってようやく行きわたったぐらいのところだぜ? ビデオテープはなんだかんだで現役だし、まだまだ新旧世代の混在が続きそうなこの状況から、更に新世代を突っ込んだら三世代混在のわけわからん状況になってユーザーが保守化するかもなんて悲観的な予測もできそうなもんだが。

たぶんPS2で一気にDVDが普及してしまった成功体験に毒されてるんだろうなあ。
HD DVDにしろBlu-Layにしろ本格普及が始まるのすら数年後、Xboxシリーズの対応なんて第3世代へのリプレースまでずれこんでも問題なかったろう、と思うのだ。

PS3はね、まあいろんな意味でフラグシップだから。実は空母時代の幕が上がってたのにカッとなって(旧思想ベースの)大和を作っちゃった的なことにならなきゃいいんだけど。