本年下半期活動予定

前半ちっとも活動しなかった気もしますが気にせずに、本年後半の活動予定など。

GameDeep vol.18 「ゲームの強度」

コミックマーケット77(2009/12/29-)にて発行予定。
「ゲームの強度」と題して、ゲームシステム、プレイヤーの振る舞いなどから見えてくるゲームの「強度」について考察したいと思います。

2人用ゲームがなぜ適当に楽しくなるか、3人以上になるとどうしてそれが容易に壊れるのか、それらを踏まえて1人用ゲームでは何を考えないといけないのか、などなどを予定

GD# vol.36

遅くとも文学フリマ9(2009/12/6)までには発行予定。
中身は当然未定。

あたりは書きたいなー。

GD# vol.37

コミックマーケット77(2009/12/29-)にて発行予定。
このぐらいまでに「傾向と対策」シリーズの新作が出来ているのではないか説があります。データとしては集計してみて、あまりに明白な「市場動向」が見えているとかなんとか。これでひととおりのレーベル調査をしたことになるからまとめて独立した本作りますかねー、という話になっておりますです。

テレビゲームの越えてきたハードルを想う

ハドソン高橋名人が、東京大学で“ファミコンブーム”を熱く語る!
http://www.famitsu.com/game/news/1222608_1124.html

に行ってきましたよ。詳しいレポートはリンク先をどうぞということで、ここでは少し視点をずらした感想を。まあ速報としての意味はもうないことだし変化球でね。


とかく高橋名人の話の中で印象的だったのは、「子供を相手にすること」への意識の高さだったと思います。

たとえばリンク先に写真も出ているファミコン体操の話。
初期こそは2時間で200人以上の参加者にスコアアタックさせて、上位者には決勝戦やらせて、というスケジュールを回すのがぎりぎりいっぱいで、本当に説明とゲームしかやっていなかったものが、「高橋名人」として人気が出てきたあたりからMCの時間を15分ほどいただけるようになってから採り入れたものの一つだそうで。

  • 元々は「健康体操」という名前
  • 児童館の方から教わった
  • しかし高橋名人が「ファミコン上手くなるためには」って言えば子供は喜んでやる

のだと。
して、それを実際にやってみるとどうなるかというと、まあ普通はぶっつけでできるわけがないわけです。で、ぜんぜんできない子供たちが「高橋名人すげー!」と言ってイベントの雰囲気はバッと明るくなる。それも、親御さんたちも笑顔にならざるを得ないような健全な雰囲気になるのだと。
でまあ、ここでやってることはぶっちゃけゲームとかぜんぜん関係ないわけですよ。しかしそのゲームとの関係のなさが、おそらくはとても大事だったのだと。

ファミコンブームの起きた1985年前後というのは、まだインベーダーブームから数年程度の時期。当時インベーダーは無秩序なままにブームを起こしすぎて、まあゲームセンターの評判とかかなり悪かったわけです。
そこにテレビゲームというものが出てきて、これが家庭に入ろうとしている状況でした。そうした状況を考えると、高橋名人の思いつき*1で始まった「ゲームの健全化」という動きは、その後のテレビゲームの普及に大いに影響を与えたのではないかと思います。
そこで「会社ぐるみで主張してくことにするから」と追認したハドソン役員会の決断もまたすごいものですが。


そんなわけで、「ファミコン」なる社会現象を歴史的に考えようと思う向きには一級品の資料たりえる講演でした。

*1:リンク先でも紹介されてますが、「ゲームは一日一時間ぐらい集中してやって、後は外で遊ぶんだ!」的なことを言ったそうです。

コミックマーケット75参加情報

ということで同人サークルGameDeepのコミックマーケット75参加情報などお送りしますよ。

場所

あたりでGameDeepの新刊・バックナンバー等取り扱います。

しかし私(中田)の3日目は

にて売り子業の予定です。

新刊 GameDeep opt.1 : GameDeep Glossary 1st edition.

http://gamedeep.niu.ne.jp/yapw.cgi/opt.1 でこっそり予告はしてありましたが、こっちにも改めて。

いいかげん本誌記事を書く上で、普通のゲーム議論では使わない感じの用語を毎度説明するのがダルくなってきたので、この際まとめてみようかな、とかそんな趣旨の本です。

……と思っていたのが8月下旬、前回コミックマーケット終わってすぐのこと。しかしその後いろいろありまして、予定していた作業時間をまったく確保できないまま気付くと12月下旬、各位(主に特定の一名)に迷惑をかけつつ、おおむねそんなつもりで書きはじめましたが、読み返すと内容を圧縮したせいで電波度が向上していて説明用のものにはなりそうにありません。
そんなわけで'proto edition'とか改名しようか、と悩んでいますが、ある意味「よりぬきGameDeep」として、vol.1〜16の総集編としての価値はあるんじゃないかと思います。決定版とまでは名乗れませんが。

新刊 GD# vol.34

未定。なにもかも未定。内容未定、頁数未定、〆切未定。
ああでも価格(100円)と発刊日(2008/12/28)だけは確定しています。もにょもにょと原稿が集まってもにょもにょと発刊されることでありましょう。

ゲームコンソール更新時期小考

「据置ハード5年周期説」は崩壊したか
http://gamemusic.blog50.fc2.com/blog-entry-892.html


そんなんあたりまえだと思うのだが。
「据え置きハードの5年更新」って話の前提には、ムーアの法則が存在していたわけだからして。
およそ1.5年に2倍の性能アップ、というのは大雑把な見立てだけど(単にトランジスタ数が倍になっても性能が倍になるわけではない)。でも、5年ってことは3回ぐらい2倍の性能アップが期待できるから性能比として10倍ぐらいのハードが出せるのがそのぐらいのサイクルになる。
そのころになると5年前のハードをやりくりするのにも限度がきてるから乗り換えのタイミングとしてはそう悪くない。


で、これだけ差がつくと文字通り「桁の違う」性能になる。そのぐらいハードの性能が違えば、見た目のインパクトは必ず変わる。「これ以上ハードの性能が上がっても仕方ない」なんてことはない。
しかし残念なことにハードの側の性能がそこまで上がってくれない、というのが現状だと思う。原子のサイズの壁にブチ当たってムーアの法則が維持困難になってきたからだ。というあたりは以前にhttp://d.hatena.ne.jp/gamedeep/20061219/1166529035 で一席ぶったお話だけど。


CPUを作る側はそれに対して並列化で問題を解決しようとしている。でもそれにはソフトを作る側でも作り方を変えなければいけなくなる。
その点で思い切った設計をしたのはPS3、というかそのCPUであるCell.B.E.なのだけれど、そのCell.B.E.ですら「これまでの作り方」と「これからの作り方」の折衷案的なところを狙った設計に過ぎない。

今は次の世代、「並列化コンピューティング」を前提としたゲーム作りに向けて、やりかたを整えていく時期なのだと思う。今後のCPU開発の方向を考慮すれば、PS3というプラットフォームが今後数十年のためのとてもよいテストベッドとなっていることがわかる。
ということで、「これまでの作り方」をDS、PSPWiiなどで実践しつつ小銭を稼ぎ、それで食い繋ぎながら「これからの作り方」をXBox360PS3で模索していく、というのが今のコンシューマビデオゲーム業界の姿なんではないだろうか。
XBox360はそろそろ真価を発揮すべき時期にさしかかっている。対してPS3が真価を発揮するのはまだ数年先のことだろう(それだけPS3の方が未来志向の設計をしているので)。

そしてWiiは「性能」的には既に限界が近い。まだまだやってみるべきアイデアはいろいろあるが、しかしスペックシートから単純に考える寿命は当然他のハードに比べて短いものだ(それを覆そうとしてるのが、Wiiという挑戦のすごいところなのだけど)。

となると「次の世代」の据え置きコンソールの登場時期も、自ずとずれていくことになるのではないか。マイクロソフトはそろそろ次の設計が考慮されはじめてきた時期、SCEはようやく腰を上げてみるぐらい、なんじゃないかと思っている(根拠のない勝手な予測)。
任天堂の考えている? 正直よくわからない。なんせ現社長になってから、さんざんセオリーひっくり返しまくりなので。DSやWiiでスペックシート性能勝負から完全に降りちゃったから、もう寿命とかあってなきが如しだし。

TokyoBookManiax参加します

ようやく参加案内とか届きましたので。
TokyoBookManiax (http://tokyobookmaniax.hyoron.jp/) に参加します。
新刊はGD# vol.33、メイン記事は「二次元ドリーム文庫の傾向と対策
その他、なんかいいかげんな都市論エッセイとかアニメ話とか書くんじゃないかと思います。これから。

なおメイン記事については、比較のためにフランス書院美少女文庫編の載ったGD# vol.29もしくはGD#2007との同時購入をおすすめします。

ニンテンドーDSi

というわけでつらつら思ったことを。

電源ボタンが内側に

これは普通にいい変更。あのちょっとやそっとでは押されないはずのDS Liteの電源ボタンでさえ、カバンの中に放り込んでおけばいつの間にか押されてたりするしな。

画面が大きく

まあせっかくだから程度なんじゃないかなあ。どうせハードウェアはごっそり新設計になるのだし、的な。もしくはDS Liteとの部材の共通化は避けたかった可能性(供給逼迫時のことを考えて)とか。

カメラ

最大の変更とは言われてますが。30万画素という割りきりがいかにもDS的。そのままカメラとして使う気はぜんぜんなくて、撮った写真をあれこれ加工するのにDSの処理能力で扱える限界とかを考えたんだろーなー。

ストレージ内臓 + SDカードスロット搭載

はいきましたよついに待望のストレージ! 正直PSPより先にDSに内臓ストレージが搭載されるとは思わなかった。すごく控えめだけど革命的な変更。これさえあればハードウェアが変わらなくてもソフトウェアでバリバリ修正できちゃう優れもの。これがなかったばかりにDSのWEP問題は大放置なわけですが。

これ、カメラも使える新ピクトチャットとか出そうだよなあいかにも。あとはWiiと連携して動かすためのDSiウェアとかもバリバリ出てくるんではあるまいか。

DS iショップ

そしてきましたよ。もっとも普及しているハードにオンラインソフト販売ができちゃう環境の登場です。しかもメインメニューにガッツリ項目入ってるし。


総合してみるとiPod TouchとかiPhoneと戦うぜ的な雰囲気がぷんぷん。
キーワードは「ソフト化」あるいは「サービス化」だと思う。
ひとり一台、他ハードとの連携はしない、ってラインを抑えるべく、無線LAN環境さえあればいちおう単体で解決することを目指してDSを基盤に「サービス」を提供するために必要なものを載せてきた、って感じ。発表における「第3のプラットフォーム」という(おそらく意図的に)オーバーな表現が、目指してるところを物語ってると思う。ハード的拡張をするためのGBAスロットが消え、代わりにストレージが入った、というのが象徴的。

カメラとか液晶とかはおまけ的に思えちゃう。マジコンへのハード的対策もしてるんだろうけど、それ以上にサービスによって対策しちゃえ的雰囲気を感じます。ヘンなことしなくても便利なら(一部のマニアは除いて)みんなヘンなことしないよね、的な。
あとこれで教育用SDKとかが配布されてソフトの公開もできるとかすれば超魅力的なんだけどなあ。さすがに無理かなあ。